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三島由紀夫の三つの名前

天才でありながら三島由紀夫という人は猟奇的なものに惹かれていた人で、「綺譚倶楽部」や「家畜人ヤプー」を絶賛していた。
「毛皮のビーナス」と共にマゾヒストの聖書とも言える「ヤプー」についてはまたいつか書くとして、三島由紀夫についてだが、実は彼にはあと三つの名前がある。
一つは、もちろん本名の平岡公威。
もう一つ自作「憂国」に主演した時、新人男優としての自らに名づけた「牧健児」という芸名。
結局「憂国」は話題性も狙ってか三島由紀夫・主演として封切られるのだが、自筆のクレジットには(海外版も含め)出演・牧健児と記されたものが残っている。
さらに、榊山保という筆名がある。
知る人ぞ知る「愛の処刑」というホモ小説を発表した時に使った名前だ。
佐藤江梨子が
「三島由紀夫さんは女性の体を描写する時はあっさりしているが、男性の肉体はねちっこく描く」
と感想を述べていたが、彼がゲイだというのは通説になっている。
しかし、三島由紀夫にとって「愛の処刑」や「憂国」で舐めるように描写した男性の肉体は、他ならぬ自分の肉体だったのだろう。
「剣と寒紅」という作品で三島さんのお稚児さんだった作者がいみじくも喝破しているように、三島由紀夫という人は「誰でもいい、自分の肉体を見て欲情して欲しい」という欲求が強烈にあったようだ。
マゾヒズム作家としては谷崎潤一郎という達人がいるが、三島文学に漂うマゾヒズムには所謂Mの人が書く耽溺型のものではない。
理想化された「美しい肉体を持つ自分」が中心にいたからだろう。



mishima.jpg

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No title

こんにちは^^

三島由紀夫の聖セバスチャンですね。
「仮面の告白」に登場しますよね。
少し前に読み返しました。
「血と薔薇」も2巻までは文庫になっていてそれを読みました。
「愛の処刑」は知りませんでした。
探してみます^^

ゲイMTさん

コメント、ありがとうございます。
「仮面の告白」ではオリジナルのセバスチャンを見ながら自慰をするくだりがありますが、きっと少年期の三島さんの実話なんでしょうね。
「愛の処刑」は美男教師が美少年の前で責任をとって切腹するという、「憂国」のゲイ小説版です。
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大阪在住のマゾヒストです

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